司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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酒巻・新連載で学ぶ刑訴法(基本書)

刑事訴訟法刑事訴訟法の第一歩(基本書・参考書) - 司法修習生Higeb’s blogで紹介した「入門刑事手続法」をしっかり読んだ上で基本書に進めば、「とても不得意」ということにはならないと思います(不得意な人は入門の読み込みが甘い)。
 

しかし、「何となくわかるが、点数が伸びない」という人が多いと思います。また、わかった気になっていて「学説は非現実的」等と実務を知っているわけではないのに言い始め、自分の点数の悪さを研究者教員が「わかってない」ことに求める人も割りといます。

 
原因の多くは、刑事訴訟法の解釈が①どのような対立する利益について、②どのような観点から均衡を求めているかを理解し、③それを具体的場面で事実を整理・評価する思考枠組みを想定する、ということができていないことにあります。前述の「学者はわかってない」系の人は①②ができておらず、事実の見落としが多い人は③ができていないことが多いと思います。
 
上記のことを受験生的に言い換えると、①条文の要件の趣旨を対立利益の衡量の視点を持って理解し、②論点があれば右趣旨から規範を定立した上で、③更に①②から事実評価の基準(いわゆる下位規範)を導出しなければならないということです。
 
これを学ぶのに最高の基本書は、酒巻匡「基礎講座・刑事手続法を学ぶ(1)~(26・完)」(いわゆる酒巻・新連載)(法学教室連載/355号~394号)だと思います。上記のプロセスを明快かつ簡潔に説明してあり、判例の深い読み説ときもしっかりとなされています。私はこの連載をコピー・製本して何度も読み、また、これを片手に過去問等の答案を書いていくことで、刑事訴訟法の点数が飛躍的に上がりました。
刑訴法の点数を伸ばしたい方に是非ともおすすめします。
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