司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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家族法をどのくらい勉強するか(基本書・副読本・参考書)

新司法試験では、家族法を無視することができません。
択一に数問出るので、出来ないとそれなりの失点になります。
また、論文式試験でも何度か正面から問われたことがあり、もちろん、きちんと書けなければなりません。

一方で、問われる内容が基本的な事項が多く、それほど時間をかけるのも得策ではないあたりが、悩ましいところです。

家族法の勉強で注意すべき第1は、家族法はとても技術的な分野であることを認識すべきということです。
身分関係という合理では中々解決しない事柄を扱うので、どうしても、イデオロギー的な面に気が向いてしまい、それぞれの基本書(特に、二宮・家族法 )をボロクソに貶したりしがちです。
イデオロギーに対する賛否を横に置けず、制度や判例の理解の現実性・妥当性がわからない人は、自分が現実の具体的な紛争の適正な処理に携わる「法律実務家」を目指していることを再度確認すべきです。

その意味で、お勧めする勉強法・基本書は以下の通りです。

まず、司法試験受験生に最も評価されているのが、半田吉信ほか「ハイブリッド民法〈5〉家族法です。
学部とローの架け橋を目指しているだけあって、分かりやすさとそれなりのレベルを両立しています。かなり、取っつきやすいので、家族法を勉強したことがない人にもお勧めです。
ただ、かなり細かい知識が詰め込まれているので、全体を把握するにはそれなりに時間がかかります。
司法試験の家族法の出題が、基本的・根本的な問題であることを考えると、負担が大きいとも言えます。

基本的・根本的な問題を、全体的に把握するには、二宮周平家族法 が最適です。イデオロギーについて、ネガティブな反応をする人が多いのですが(私もかなり批判的です)、制度理解や判例の深い理解・考慮事項の検討など、非常によくまとまっています。改訂がそれなりの頻度で行われることも魅力です。

家族法の知識や理解を定着させるには、旧試験を含む択一問題に取り組むことが最適・至上です。
基本書を参照しながら、択一に取り組めば、論文で問われても全く問題なく解くことができます。

家族法はほぼ無視する、という選択肢を否定はしません。
ただ、合否は1点差で決まる、という私の考えからは、基本書を読んで、択一過去問を解いて覚えておくことは、とても大事だと思います。


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