司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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目次の重要性−基本書編

「基本書の読み方がわからない」というのは未修1年生だけでなく、学力が伸び悩んでいる人がよく口にする悩みです。

 
基本的には、
①3回位通読して、「何がどこに書いてあるか」をわかるようにする(ここで高望みしない)
②択一過去問を解いて、該当箇所を読んで理解する(過去問を何度も繰り返すので、基本書も結果的には何度も読み込む)
判例を読んで、該当箇所を読む
ことが最も効率的です。
 
しかし、「通読」「択一・判例の該当箇所読み」の仕方が次に問題になります。
この点の極めて有力なツールが基本書の「目次」です。
 
目次とは当該科目の著者が考える体系そのものであり、基本書の内容全てが凝縮されています。
制度の要点、制度間の関係、論点の位置づけ、判例のスタンス等、目次には司法試験に必須の知識や何より「論理」が端的に示されています。
以下、目次を使った基本書の読み方の要点を書きます。
 
第1に、目次は階層構造=論理構造になっていることを理解しましょう
例えば、刑法の、構成要件論における、実行行為性の、不作為犯論の、作為義務論の、義務発生事由、ということを、目次では、第1編 構成要件・第2章 実行行為・第3節 不作為犯・第2款 作為義務・第2 作為義務発生の根拠、等と表現されているということです。
これを理解しておくということは、当該制度や当該論点がそもそも何の問題で、事案において何をどう処理するために論じられているかを明確に意識するということです。答案だろうと択一だろうと司法試験で問われているのは、結局、事案をどう論理的理由付けで処理するかである以上、上記を意識して基本書を読むことは、ほぼ必須の勉強です。
そのためのツールとしては目次が最適です。
 
第2に、目次を論理構造と視覚的に理解できるよう、加工することが非常に有益です。
パソコンで目次を階層毎にインデントをずらして書き写すということです。上記の例で言えば、第1編 構成要件の次の行に第2章 実行行為を半字下げして書き、また改行して、半字下げして第3 不作為犯…と書いていくのです。
巻頭の「目次」にはある程度より下の階層は書いてないこともあるので、この際にページをペラペラめくって、1番下の階層までを書いた「完全目次」を完成させましょう
 
この作業だけでも当該基本書の体系を意識することができます。そして、基本書を読む際に、完全目次を傍らに置いて、自分が読んでいる箇所を完全目次の最上位から階層を追って確認し、「今、自分が何について読んでいるのか?」を基本書の体系に位置づけながら読むと、その法分野の体系が非常にわかりやすくなり、結果として当該制度や論点の理解が容易になります。
 
第3に、私は択一や論文問題の復習時に「基本書の最下層目次丸ごと」読むことを薦めていますが、この際も当該最下層目次を完全目次で最上位から階層を下ってチェックしてから読みましょう。具体的問題を解くことによる意識に体系的位置づけが付加されると、記憶に残りやすく、理解も深まります。
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