司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

文章力の大切さ

司法試験受験に当たって、自分の文章力に疑いを持たない人が結構います。しかし、司法試験合格戦略の視点からは完全に間違いです。ゼミや添削などで、何を言ってるかわからない、論理の流れがわからない答案を見ることは非常に多いです。 司法試験の答案は「…

司法試験合格には「基本書」が必要か?

このブログでは、研究者や(実務に携わり、実務を理論的にも探求する)実務家の書いた本=基本書(参考書や演習書を含む)を紹介しています。しかし、そもそも司法試験合格に基本書は必要か?言い換えれば、予備校本ではダメなのか?が問題となり得ます。 私…

要件事実「で」民訴を学ぶ(基本書・入門書・参考書)

民事訴訟法は、とにかく取っつきにくい科目です。1年生で勉強を始める段階で苦手意識ができてしまい、そのまま不得意パターンに陥ってしまう危険が大きいと言えます。 1年生、特に完全未修者は民訴の授業が始まる前に、木山泰嗣「小説で読む民事訴訟法―基礎…

所得税法の学び方(基本書・副読本・参考書)

租税法は難しいイメージがあるため、選択する人が少ない科目です。しかし、租税法律主義があるため、答案は要件事実を特定→事実をあてはめる、というに尽きます(膨大な間接事実から要件事実を認定するタイプの問題が多く刑事系と似ています)。また、規範定…

会社法判例と要件事実の学び方(参考書・判例集)

会社法には要件事実は必要ない、という人もいますが、①要件・論点相互の関係がわかり、②答案が読みやすくなるという会社法特有の効用が大きく、是非とも要件事実を意識した学習をお薦めします(そもそも長文の事案処理が出題される司法試験では、要件事実→事…

刑法判例の勉強の仕方(判例集・参考書)

刑法の判例を勉強する意味は2つあります。各論点についての判例による処理を学ぶことと、構成要件判断(擬律判断)を間違えないようになることです。 第1の論点についての判例の処理を学ぶことは、分かりやすいと思います。但し、刑法の場合、判例が特定の…

行政法を要件事実思考で(参考書)

行政法は個別法の解釈が出題され、しかも訴訟要件と実体要件の両方が問題となるため、ローの試験ではいい成績だが、本試験(模試)の成績が悪い人が多い科目です。 しかし、答案の基本は他科目と同じで、要件を確定し、規範を定立して事実をあてはめることに…

憲法判例の勉強の仕方(判例集・参考書)

で書いた通り、憲法の勉強は 芦部信喜「憲法 第五版 」、駒村圭吾「憲法訴訟の現代的転回: 憲法的論証を求めて (法セミLAW CLASS シリーズ) 」と判例を行ったり来たりするのが基本です。したがって、他の教科に比べればあまり意識せずに判例を読む機会が確保…

不当利得の理解をしっかりと(基本書・参考書)

不当利得はそもそもかなり難しいです。本試験でも転用物訴権が正面からとい問われたことがあり、要件論、あてはめ共にかなりの難問でした(当時、転用物訴権の論点を最初に書くべきか?が話題になっていました)。その上、契約の解除・取消・無効等の後始末…

刑法各論の学び方(基本書・参考書)

刑法各論を(無意識的に)軽視している人が、不合格者の中に結構います。総論と違い、華々しい対立がないこと、条文にとりあえず事実を当てはめるのが簡単そうに見えること等が原因だと思います。しかし、刑法で不合格答案を書く人は各論の理解も書き方も出…

担保物権法を学ぶ(基本書・参考書)

担保物権は債権と物権の交叉領域であり、債権を「担保する」ということが初学者には分かりにくい分野です。ただ、そこを乗りきると基本的な仕組み自体はそれほど難しい訳ではありません。最初の取っつきにくさにめげずに勉強すればある程度の理解には到達し…

12月のTKC択一模試の結果が悪かった人の緊急対応2(論文編)

「TKC全国実力確認テスト」の結果が悪かった人が冬休み以降やるべきこと - 司法修習生Higeb’s blogで書いた通り、まずは肢別本を10回ひたすら回しましょう。緊急事態なので、教科書等に戻る必要はありません。条文だけチェックして、あとは肢別本の解説だけ…

債権総論を学ぶ(基本書・副読本・参考書)

債権総論で迷子にならない(基本書) - 司法修習生Higeb’s blogでも少し書きましたが、債権総論で躓く人はとても多いです。私も司法試験科目で最も難しい分野だと思います。にもかかわらず、司法試験での出題が多いという極めて悩ましい分野です。基本書は、…

判例勉強の仕方ー基本編(参考書)

判例学習は法律の勉強の中心の1つです。特に司法試験においては、いわゆる「基本判例」を当然の前提として、その射程が問われることも多く、判例の重要性が極めて高いことは周知の通りです。しかし、判例学習を一応しているものの、漫然と読む、判例の「規範…

刑法総論の学び方(基本書・副読本・参考書)

刑法総論はやや哲学的な香りがするため、ハマる人はマニアックになり、冷めた人は「議論のための議論だ」等とバカにする、という両極端になりがちです。当然、具体的事案を処理できないのにマニアックになることも、バカにすることも双方無益・有害なことで…

不法行為法を学ぶ(基本書・参考書)

不法行為はそれ自体が出題されることが多い上に、抵当権侵害、売買契約に基づく目的物引渡訴訟の代償請求など他の分野でも顔を出します。不法行為を学ぶ上で留意すべき第1は、要件事実が分かりにくいことです。言い換えると、1つの事実が複数の要件に該当…

過去問勉強の仕方の基本

司法試験受験勉強で過去問(論文式)をどの程度重視するか?いつやるか?等は色々と考え方があります。模擬試験的に直前期にやり、不合格→翌年受験に備えて全部はやらない、という考え方も本試験問題に匹敵する質と量を備えた問題が少ないことからすれば、一…

契約法を学ぶ(基本書・参考書)

契約法は民法の花形といっていい分野です。司法試験についても頻出ですし、実体法でも要件事実でも最も論点が多い分野です。また、実務において多彩な類型が開発されている分野でもあります。 契約法の勉強で留意すべき第1は典型契約をしっかりと勉強するこ…

酒巻・新連載とあわせて読むべき本(基本書・参考書)

酒巻・新連載で学ぶ刑訴法(基本書) - 司法修習生Higeb’s blogで紹介した通り、刑事訴訟法の基本書は、酒巻匡「刑事手続法を学ぶ」(法学教室連載)を最も薦めます。しかし、酒巻・新連載は判断枠組みの提示に力が入れられており、解釈論自体は比較的あっさ…

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