2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧
物権法は比較的範囲が狭く、論点も少ないため、ものすごく苦手、という人は少ないと思います。しかし、司法試験に目を向けると、物権法理が正面から問われることが多く(ex.H24民法)、重要性の高い分野です。また、要件事実について問われることも多い点も…
リークエか江頭か?(基本書・副読本) - 司法修習生Higeb’s blogで書いた通り、会社法は伊藤ほか「会社法 第2版(LEGALQUEST)」を基本書にするといいと思います(但し、改正法対応のための改訂の後買った方がいい)。しかし、会社法も基本書だけで合格レベ…
内田教授が「民法I 第4版: 総則・物権総論」で述べる通り、民法総則は初学者には分かりにくい分野です。要件事実の観点からも、民法総則の規定は典型的には抗弁で現れるものがほとんどです。一方で民法を学ぶ上で、意思表示論など後に回す訳にはいかないのも…
憲法の勉強の第1歩−芦部「憲法」を大事にしよう!(基本書) - 司法修習生Higeb’s blogで書いた通り憲法の勉強は、芦部信喜著・高橋和之補訂「憲法 第五版」をしっかり読み込むことが、大前提です。しかし、芦部・憲法を読み込んだだけで司法試験の憲法の答…
「行政法は、櫻井・橋本『行政法 第4版 』(以下「サクハシ」)、橋本『行政判例ノート 第3版 』(以下「ハシハン」)だけで合格できる」という合格者は多いと思います。私もそれほど異論があるわけではありません。しかし同時に、これはとても誤解を招きや…
短答の勉強の仕方は、「基本書の読み方−その2」と「短答の勉強の仕方の基本」 - 司法修習生Higeb’s blogで書いた通りです。が、12月のTKC 模試で科目毎の点数が75%いかなかった科目がある人は別です。短答に合格しないと、論文が採点されず、弱点把握ができ…
刑事訴訟法は刑事訴訟法の第一歩(基本書・参考書) - 司法修習生Higeb’s blogで紹介した「入門刑事手続法」をしっかり読んだ上で基本書に進めば、「とても不得意」ということにはならないと思います(不得意な人は入門の読み込みが甘い)。 しかし、「何と…
民事執行法•保全法は司法試験の論文式試験で直接問われることはありません。また、短答式試験民訴の廃止にともない、短答でも直接問われることはなくなりました。 しかし、民事執行法・保全法の基礎を学ぶことは司法試験にとても役に立ちます。ローで開講さ…
司法試験の刑法は基本的な制度理解と論点への言及に加えて、間接事実の拾い方・評価の仕方が極めて重要です。 また、間接事実の拾い方・評価は刑法の解釈に直結することが多い点にも注意が必要です。 例えば、因果関係が問題になる場合、「因果関係」の要件…
内田貴「民法I 第4版: 総則・物権総論 」「民法II 第3版: 債権各論 」「民法 III [第3版] 債権総論・担保物権 」は評価が大きく分かれる本です。私は、分かりやすさをうたっているものの、①内容的にはかなり高度であること、②かなり意識して気を付けないと議…
論点についての判例・学説の対立は、つい「差」に目が行き勝ちです。確かに論理も考慮要素も、時には理念までもが異なるので、当然と言えば当然ですし、「差」が大事なことは確かです。しかし、判例にしろ個々の学説にしろ、条文・立法趣旨・社会的背景から…
司法試験における学説の効用でも述べた通り、学説を学ぶことの重要性は刑法にも当てはまります。また、判例・学説がことなっても論理の8割り以上が同じで、同じ部分と異なる部分を意識することが重要なことも同じです。 しかし、刑法の行為無価値と結果無価…
司法試験受験界では「学説オタクになってはいけない」から始まり、「学説の対立に深入りしたら落ちる」果ては「法曹実務家登用試験だから判例のみが必要で学説を学ぶ必要はない」と言う人までいます。確かに学説は論点を中心に展開されるため、「学説に深入…
会社法の基本書は悩む方が多いと思います。おそらく、伊藤ほか「会社法 第2版 (LEGAL QUEST) 」か江頭憲治郎「株式会社法 第5版 」のどちらかを選ぶのがメジャーではないでしないでしょうか?私は江頭・会社法を読み込みました。とても分厚く、しかも極めて…
司法試験の勉強は基本書を軸に進めます。しかし、基本書だけを読んで基本書を理解できるのはものすごく頭がいい人だけです。大半は他の本の力を借りて、基本書を理解していくことになります。私は常に読んだり参照する本を、基本書、参考書、副読本の3つに…
民法は一つ一つの条文・制度の理解が甘いと他の条文•制度の理解も進まないことが、初学者•苦手者を苦しめます。一つ一つの条文•制度を、原則と例外を明確に意識しながら、具体的な事例をイメージして理解することがとても大事です。そのための参考書として極…
刑事訴訟法は論点が多く、また、「学説と実務の乖離」が語られることも多いことから、とかく細かな議論に目が向きがちです。しかし、全体像が頭に入っていない状態で細かな議論に気をとられると、理解が全く進みません。刑訴法が苦手な人は大体、このパター…
高橋宏志「重点講義民事訴訟法(上) 第2版補訂版 」「重点講義民事訴訟法(下) 第2版補訂版 」は司法試験受験生にとって最も賛否の分かれる書籍の1つです。 大体の認識としては、「ほぼ毎年同書の問題意識が問われており、読むと読まないのとで大きな差がつく…
短答の勉強の効用の1つに「基本書を読み込む良いツールになる」というのがあります。 前回「基本書の読み方−その1・最初の3回通読 」で書いた3回通読後に基本書を読み込むには短答の過去問を潰すのが、問題意識を持って読めるので理解が進み、今後の学習…