債権総論で迷子にならない(基本書)
民法が不得意な人の大半が債権総論が皆目わかっていません。
また、他はできるのに債権総論だけわかっておらず、弁済や相殺などの基本的な検討ができず、試験の点が悲惨なことになる人も結構います。
債権総論の勉強で第1に心がけるのは「要件→効果思考」です。
理論的な差異に目が行ってしまい、法律の基本である要件→効果思考をつい忘れてしまう人が多いのです。
教科書を読む時も、読んでいるところがどの条文のどの文言についてのものか?をしっかり確認すると、かなり頭が整理されます。
第2に重要なのは、「いきなり難しい本に挑まないこと」です。
司法試験受験生には、潮見佳男「プラクティス民法 債権総論〔第4版〕 」や中田裕康「債権総論 第三版 」が人気があると思います。私も中田・債権総論の愛読者です。
しかし、双方ともとても分厚くしかも高度です。債権総論の骨格が頭に入っていないのに、いきなり読むと何がなんだかわからず、「迷子」になります。そして苦手意識が出来、いつまでたっても勉強が進まない、という悪い循環に入ります。
ですから、債権総論はまず簡潔で分かりやすい教科書を読んで、基本をしっかり理解してから、上記の本に進むことをオススメします。
松尾ほか「ハイブリッド民法〈3〉債権総論 」や松井宏興「債権総論 (民法講義) 」が手頃なのではないでしょうか?
私は中田・債権総論を読みつつ、頭がこんがらがると松井・債権総論に戻って確認する、ということを受験直前まで何回もやりました。