家族法をどのくらい勉強するか(基本書・副読本・参考書)
新司法試験では、家族法を無視することができません。
択一に数問出るので、出来ないとそれなりの失点になります。
また、論文式試験でも何度か正面から問われたことがあり、もちろん、きちんと書けなければなりません。
一方で、問われる内容が基本的な事項が多く、それほど時間をかけるのも得策ではないあたりが、悩ましいところです。
その意味で、お勧めする勉強法・基本書は以下の通りです。
まず、司法試験受験生に最も評価されているのが、半田吉信ほか「ハイブリッド民法〈5〉家族法
」です。
学部とローの架け橋を目指しているだけあって、分かりやすさとそれなりのレベルを両立しています。かなり、取っつきやすいので、家族法を勉強したことがない人にもお勧めです。
ただ、かなり細かい知識が詰め込まれているので、全体を把握するにはそれなりに時間がかかります。
司法試験の家族法の出題が、基本的・根本的な問題であることを考えると、負担が大きいとも言えます。
基本的・根本的な問題を、全体的に把握するには、二宮周平「家族法
」が最適です。イデオロギーについて、ネガティブな反応をする人が多いのですが(私もかなり批判的です)、制度理解や判例の深い理解・考慮事項の検討など、非常によくまとまっています。改訂がそれなりの頻度で行われることも魅力です。
家族法の知識や理解を定着させるには、旧試験を含む択一問題に取り組むことが最適・至上です。
基本書を参照しながら、択一に取り組めば、論文で問われても全く問題なく解くことができます。
家族法はほぼ無視する、という選択肢を否定はしません。
ただ、合否は1点差で決まる、という私の考えからは、基本書を読んで、択一過去問を解いて覚えておくことは、とても大事だと思います。