司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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12月のTKC択一模試の結果が悪かった人の緊急対応2(論文編)

「TKC全国実力確認テスト」の結果が悪かった人が冬休み以降やるべきこと - 司法修習生Higeb’s blogで書いた通り、まずは肢別本を10回ひたすら回しましょう。緊急事態なので、教科書等に戻る必要はありません。条文だけチェックして、あとは肢別本の解説だけで知識を詰め込みましょう。

それが終わったら(早い人で2月中旬、遅い人も頑張って3月までに)、下記のことをして、論文の力を大急ぎで付けましょう。

まず、朝から①時間を計って、②手書き答案を書きましょう。この期に及んでは、基本書を読む時間等ないので、書くことで知識を入れて理解を深めましょう。実戦力をつけなければならないので、手書きしましょう(本番でビックリするほど量が書けなかったという不合格者が私のまわりにも複数いました)。また、時間内に書ききる練習がとても大事なので、時間はきっちり計って、時間が来たらそこで切り上げましょう。答案用紙も辰巳の解答用紙が本番に近いので、電話注文等で取り寄せて使うことをお薦めします(1通100円かかりますが、ここはけちるべきではありません)。

2時間で書いたら、すぐにパソコンに起こしましょう。後述の添削者を確保している人はこの段階でメールで送っておきましょう。ここまでを午前中に終えましょう。

午後は、解説と基本書を見ながら、パソコンで答案を修正します。その際は解説にある全論点に触れ、全ての事実を拾い、評価し、自分が書ける現実的な長さにおさめた「完全答案」に仕上げます。この過程で知識を入れると共に、試験当日にどのように書くかをイメージして答案作成力つけていくことになります。ここで自分のスタイルを確立する時間は残念ながらないので、答案構成・表現などを参考答案から引き写すこともやむを得ないでしょう。この作業も4-5時間程度で終えるようにします。

その後、添削された答案があれば、1時間程度かけて完全答案に反映させましょう。それほど時間はかからないものの、かなりの力がつく作業です。

また、その後に1日2時間程度の択一の勉強は継続しましょう。12月時点でTKC模試で7割取れなかった人は、勉強を続けないと合格レベルを簡単に割ってしまいます。

以上をやると、3月に始めた人でも、60問以上を解くことになります。合格レベルに達するのに十分な量です。
問題は、「何を解くか?」だと思います。まず、この時点で過去問はお薦めしません。検討に時間がかかりすぎるからです。一番よいのは予備校の答練の問題です。本試験を意識して作成された問題は、質はともかく、この時期の論文勉強には最適です。解説があるのはもちろん、参考答案が複数付いており、答案の修正もやり易いと思います。また、辰巳については採点表が付いており、これが非常に参考になります。拾うべき事実、そのための規範、また、それらの軽重等がわかります。
定期的に予備校に受けに行けなくても、答練は申し込んで問題を手にいれましょう。前年の合格者から過去の答練の問題を書いとるのも1つの手です(くれぐれも合法的に)。

しかし、それでも問題が足りない、又は、経済的に答練は無理、という人のために、この時期にやるのに比較的適した演習書をあげておきます。但し、あくまで緊急対応用であり、そうでない人に勧められるものばかりではないことに注意してください。緊急対応以外でのお薦めの演習書や勉強の仕方はまた別に書きます。




大貫・土田「行政法―事案解析の作法



刑法

井田・田口ほか「事例研究 刑事法 (2) 刑事訴訟法

民事訴訟法は思い付きません)


答案を自分で見るだけでなく、ほかの人に見てもらい、欠点を指摘されることはとても有益かつ即効性があります。ローの先輩合格者に添削を頼み込みましょう。ローの教官経由で頼むと引き受けてくれる人は多いと思います。出来れば複数人にお願いして、毎日のように見てもらうのが理想です。私の出身ローは合格者が添削するのは義務だ、という雰囲気があり、私も2人に頼まれ、見ています。そうでなくとも、同じ試験に苦労した人ですから、頼めば嫌々でもやってくれる可能性があります。ここは図々しく甘えましょう。

最後に、上記のスケジュールだと、1日11時間程度勉強が必要です。しかし、ここ数ヶ月のがむしゃらな勉強で、受験生活が1年延びるか、修習生となって次のステップに行くかが分かれます。また、直前期のがむしゃらな勉強は驚くほど力がつきます。私もこの期間の勉強で合格レベルに達したという実感があります。

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