司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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文章力の大切さ

司法試験受験に当たって、自分の文章力に疑いを持たない人が結構います。しかし、司法試験合格戦略の視点からは完全に間違いです。ゼミや添削などで、何を言ってるかわからない、論理の流れがわからない答案を見ることは非常に多いです。

司法試験の答案は「論文式」と銘打ってあるように、論理的でなければなりません。また、試験委員が採点する=試験委員に伝わらなければ点が入らない以上、わかりやすい文章でなければなりません。
論理的でわかりやすい文章は合格に必須の能力です。
 
ローの試験で点が悪い人は、法律の知識や法的文章以前に、基本的な日本語の作文能力を疑うべきです。
また、ある程度点が取れるが上位になれない、文章力にある程度自信がある人は、「癖のある」文章になっていないか疑うべきです。ローの教官に「君の答案、癖あるね」と言われる人は法律の勉強不足以外にも問題があることが多いです。
 
早い段階、出来ればロー1年生の夏休みに、木下是雄「理科系の作文技術 (中公新書 (624))をしっかり、何度も読みましょう。同書は「理科系の」との表題ですが、全ての論理的文章の出発点です。
そして、定期試験の答案を同書に沿って添削し、書き直しましょう。この作業で、論理的文章の土台が出来、また、文章の癖が抜けます。この作業はその後も定期試験の度に2〜3通やり続けましょう。法律の勉強が進み書くことが増えると、文章が乱れ、論理的でない癖ある文章になりがちです。受験直前まで修正し続けましょう。定期試験の復習ついでなので、さほどの手間でもなく、時間もかかりません。
また、上記作業をすると、基本書を読む際にも記述の論理展開が格段に理解できるようになる、という大きな副次効果もあります。
 
 
上記作業をやれば、論理的文章の基本はできます。また、わかりやすさもある程度身に付きます。ただ、法的文章=リーガルライティングの本も読んでおき、「司法試験向け」の文章を書けるようになりたいところです。
私は、木山泰嗣「センスのよい法律文章の書き方 」「弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28 」の2冊を薦めます。実行しやすいメソッドの積み重ねで、論理的でわかりやすい法的文章を構成しており、非常に実践的で即効性があります。また、理由付けの基本である、必要性と許容性、形式的と実質的、など思考・記述枠組みを明示してある点も非常に有益です。
この本についても、参照しながら定期試験等の答案を添削・修正しましょう。また、同書で説明されているナンバリング等の形式面もしっかり習得しましょう。形式から論理が整う面が大きいからです。
なお、「理科系の」以上に基本書の論理展開の理解が進みます。






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