司法修習生Higeb’s blog

68期司法修習生によるブログです。法律の勉強法・基本書・参考書などの司法試験ネタや勉強ネタを中心に書いていきます。

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「筆力」を鍛える有用性と即効性

演習・答案作成は司法試験の枚数制限内で書くことが重要です。そして、特にロー3年生以降は、自分が本番で時間制限内に現実的に書ける字数・枚数で書くことが重要になってきます。試験委員が見るのは本試験の答案のみです。本試験は時間制限がある以上、その範囲内で書くべきことを書く訓練が合格のためには必要です。

それを踏まえているのか、「自分は5枚くらいしか書けないから、論点も事実も書くことを絞らなければ」「重要でない論点や事実は書かないのが大事」等と言う人が多いです。これは現時点(2月)の3年生・修了生=5月に受験する人が言うのであれば正しいと思います。
しかし、1・2年生はもちろん、12月以前の3年生・修了生が言うのであれば、余りにも勿体なく、間違いです。司法試験は、条文からの要件の明示、そこに論点があれば理由付けと規範定立、そして何より事実をしっかり拾って評価しなければなりません。特に間接事実からの主要事実の推認であればかなりの長さが必要です
そのために、理由付けは簡潔に、事実はまとめて書く練習は必要です。しかし、本試験では緊張で普段より冗長な記述になりがちです。また、論点も事実も書けるなら、点が入る以上書くに越したことはありません(もちろん、優先順位をつけることに異論は全くありません)。また、勘違いに気づけば、残り時間で何とか書き直さねばなりません。

早く書くことができれば、多くの論点や事実を書いて点数が付く上、失敗のリカバリーも可能です。また、書く時間を節約できるので、その分考える時間を長くとることが出来ます。
つまり、限られた時間内に書ける量を増やすことで、司法試験で非常に有利になります。早く書く力=筆力を軽視すべきではありません。また、筆力は訓練で飛躍的に向上します。

具体的方法はとても簡単です。まず、本試験の答案用紙を用意します。法務省サイトからダウンロードしてもいいですし、私は予備校の答案用紙を買って使っていました。そして、基本書か判例集をひたすら書き写します。段落分け等はせず、答案用紙の左上端から、右下端まで、びっしりと字を埋めます。ストップウォッチを使い1枚書く時間を計っておきます。成果が上がっているかを確認するためです。

1日に1枚やれば十分です(それ以上やるべきではありません)。但し、毎日やりましょう。12〜13分程度しかかからないので、昼休み明け等にウォーミングアップを兼ねてルーティンにしておくと良いです。

これを1年もやれば劇的に筆力が向上します。私はローの試験でも、最後まで書き終わらず点数が悪いことが多く、ロー2年生夏休み時点で上記作業をやると1枚15分かかっていました。それが3年生の12月には10分を楽に切っており、本試験で時間がなくて書けない、という事態は想定しなくてよくなっていました。

速く書く練習は、法律の勉強から見るとかなり遠く、バカにし、軽視しがちです。しかし、筆力を向上させることは合格に直結します。是非、1日に僅かな時間を割いてみて下さい。
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