司法試験での学説の学び方
論点についての判例・学説の対立は、つい「差」に目が行き勝ちです。確かに論理も考慮要素も、時には理念までもが異なるので、当然と言えば当然ですし、「差」が大事なことは確かです。
しかし、判例にしろ個々の学説にしろ、条文・立法趣旨・社会的背景から孤立して主張されることはあり得ません。したがって、対立はあっても論理・思考は8割以上が共通します。学説を学ぶ第一歩であり、最重要なことは、その共通部分を理解することです。
共通部分は法律に携わる研究者や法曹実務家が共有する理論であり、この点の理解が無い人は、司法試験に必要な論理的思考が出来ていない可能性が高いと思います。
その後の判例・学説の分岐は共通部分の理解に比べれば、極論すれば些末なことと言ってもいいです。
司法試験で重要なのは、説が分かれても、それは共通部分からの説き起こしであり、分岐理由は法解釈におけるギリギリの価値判断であることを理解することです。この理解が判例・通説の深い理解につながります。司法試験の受験勉強で学説を学ぶ効用 - 司法修習生Higeb’s blog参照